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アメリカで一番印象に残っているのは何か、という質問をされた。

一瞬、思考が止まってしまった。
まったく考えたことがなかったんだろうな、我ながら。
一つを挙げること自体が土台無理という前提を無視しさえすれば、けれど、やっぱりこの先避けては通れない問題だろう。方々で尋ねられるに違いない。

そこで、考えてみた。
すると、モンタナ州立大で学校から寮へ帰る道から見える巨大な空だった。
やはりボーズマンの空か、と我ながら思う。
人でも、仕事でも、出会いでもなくて空。そんなんでいいのか本当に俺。
ブログを見ると5月のことだったらしい。こういう時、ブログって本当に便利だね。

 猛烈なスコールに打たれながら帰っていると、途中ですっかり止んでしまった。
 すると道の先で子どもが4人、両手を上げてピョンピョン跳ねている。
 何と可愛らしい。カエルの子供のようではないか。
 と思ってそのまま近づいていくと、口々に何か叫んでいる。
 その響きにハッとして振り返った先に、でっかい虹が2本。

ただ、一番印象に残っているのは何かと問われて思い付いたのは、背後にあった虹に晴れ渡る青空ではないんですよ。眼前に広がっていた、まだスコールの気配を残すおどろおどろしい、灰色で底なしの空なんです。そこへ向かって近づいて行く感じと言ってもいいのかも。
その空もやはり果てしなく広かった。

ぼくのアメリカ滞在はつまり、先行き常に不明で不穏かつ不安だったということかも知れませんね。いや、たぶんきっとそうなんでしょう、何だかんだ言っても正直な心象としては。

けど、物事というのは、きっと誰でも知りつくしているように、シンプルに二つの側面からできていて、片方から見れば底なし沼でも、別の方から見れば果てしない青空だったりして、たまたまぼくが、片目を失くしたカラスみたいに、前者ばかりを見る性質に出来あがっているに過ぎず、物事は案外、後者の判断で突き進んだりするんでしょう。こうしてアメリカでブログを書いたりしていること自体が、その格好の例に違いありません。

こういうことはアメリカ滞在に限った事ではありません。だからこそ、いつもカエルみたいにピョコピョコと、屈託なく、疑いなく、物事のいい方を見せてくれる、そういう人にいて欲しいですね。

そういう人がいれば、大抵のことはやっていける。
そんな気がします。

It is ever impossible to name the one most impressive thing for a year-long stay in a foreign country. I have some, too. At the very beginning of my stay in Michigan, I met a guy who proudly referred Michigan people very kind comparing to New Yorkers.
by fdvegi | 2008-03-08 00:30 | 北米上陸 | Comments(0)
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