まねしてはいけないスウェーデン語講座

フランス語なのか、ses というつづりを見て、vi ses というのを思い出した。

今さらながら vi ses か、と思った。

ヴィ・セスじゃないよ、ヴィ・セィエスだよ。

と、子どもに教えるみたいに、おどけて自分に言い聞かせた。
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# by fdvegi | 2005-03-04 00:30 | 京都在住 | Comments(0)

長居の後

最近になって見出したことなんだが、飲まない人とカフェで飲む、のが楽しい。
あんまり飲み食いしないからずぶずぶにならないし、比較的明るくてきれいでおしゃまなところでゆっくりと余裕を持ってとろんとできる。
特に彼女と話すのは本当に楽しくて、彼女がじきに結婚するっていうのは、自分史上指折りの喪失であって痛手なんだが、まいっか、楽しいし、とすぐに短絡的な感情に身を隠して、更けゆく夜から目をそらしている。

ひそかに激しく疑問に感じることなんだが、俺はその後は原則彼女に会ったらいかんとか、会うことがあるにせよそれは許認可制的な(今はたぶん届出制)、限定的で例外的な事項になったりとか、そういうことが生じるのが、結婚というものなんだろうか。

だとしたら、どうして俺がそんなことに巻き込まれないといかんのだろう。
全然ハッピーじゃないのに、手間と後ろめたい気分だけが増えるだなんて、不幸だ。
彼女が結婚して俺は不幸だ。

日曜日は競馬へ行ってきた。
ここのところ隣の課の上司に誘われて競馬に行く。
競馬場というところは、とても清々しい場所で、初めて行った時にはとても驚いた。
どこまでも広々とした場所に生身の動物たちが解き放たれているみたいだ。

第3コーナーを、群れなして高速で駆け抜ける駿馬の姿は、まさしく人類史的に美しいし、馬たちがゴール前に迫ってくる頃、今度は人間たちが沸き立ち踊り、地鳴りのようだ。
タバコを喫う、酒を飲む、地べたに座る、ゴミを捨てる、怒鳴る、わめく、悔しがる、歓喜する。
そういうことが行われている。

競馬歴2度目の今回は、5レースから買い始めて全敗した前回の教訓を生かし、9レースから買い始めて10,11,12レース連続で当てたばかりか、12レースは100円→15,000円のいわゆる万馬券だったので、5千円だけ入れてきた財布に、18,000円入れて帰ることが出来た。
さっそく四条で途中下車し、アロマポット(3つ目)と、整頓用の棚と、そして念願の毛布を購入した。

おかげで布団の中が暖かい。熱が逃げずに、こもるのがわかる。
暖かい布団って、心がなごむね。

ぼく、一人で寝れるよ。
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# by fdvegi | 2004-11-22 00:30 | Comments(0)

その偶然に用がある

急ぎ足で店に入ると、彼女は角の席に座り、こっちに手を振っていた。

あー。懐かしー。

と、わかりきっていたことだが、改めて一年ぶりというスパンに感じ入り、併せて、前より心なしか引き締まっているような感じの彼女が、あるいは、前からこうだったのかな、などと思えて、ちょっと戸惑った。

ここのところずっと、「この人きれいな、誰かに似てるんやけどな」と思っていた人は、そうか彼女に似ていたわけか。太目の眉と、丸っこい目と、受け口気味の下顎が、たぶん俺の心をくすぐるんだろう。

去年の今頃みたいに痩せてしまっていようが、5年くらい前までみたいにかなり丸い状態でいようが、今、目の前に突然現れたみたいに違って見える、締まった感じになっていようが、その好もしい原形は変わらないのが、どこまでいっても最終的には他人事の域を出ないんだろうと、ある意味清々しく観念しながらも、やっぱりなんだか嬉しい俺はおっさんなんだろうか。

ま、いいや。

さて。

彼女は喫煙席に座っていた。タバコを憎んでやまないはずの彼女が喫煙席にいるということは、つまりここが全席喫煙可能の店だということか。今時まだそんな店があるんだね、と、一席挟んだ隣の煙に軽くムカムカしながらも、遅刻してきた俺としては店選びに口出しできる立場でもなく、第一、久しぶりに彼女と過ごしている今は楽しい。

何度目かの就職試験に失敗し、身内が入院し、こないだ出席した友人の結婚式では3次会に誘われなかったことを笑い飛ばす、根っから、という言葉そのままの明るさは気持ちいい日光浴みたいなもんで、なおかつ、彼女は、「結婚はきついよね」、「話せる人がいないと辛いな」、「うさぎなんて可愛いやん」、「一人暮らしはみんなしんどいって言うわ」、などと、いつの間にか圧倒的な包容力までも身につけていたのだった。

すっごい大人になったなー。

と、話もそぞろに俺は思わずうなってしまう。
小学生やうさぎ呼ばわりされた自分が感心するのもおかしいが、小学生やうさぎなだけに、そういうところを見抜く力には大いなる自信がる。

彼女はずいぶん素敵になった。

あっという間に時間が過ぎ、勘定を済ませて、今度はちゃんとランチにしようと約束をして、別れた。惜しい気がした。

「おタバコは喫われますか」と店員さんが新しい客に尋ねていた。

なんだ。やっぱり禁煙席もあるんじゃん。

て、

あ。

彼女はあえて喫煙席に座っていたのだ。
遅刻してくる俺のために。
馬鹿みたく鼻高々で禁煙成功をアッピールしている俺を、偉い、すごい、お祝いしよう、などと、その上あやしさえして。

しばらく見ぬ目に素敵な人になったなー。驚いた。
と、晩に届いたメールに返事をした。

偶然、偶然。
入り口から一番見えやすいとこやっただけ。
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# by fdvegi | 2004-11-05 00:30 | Comments(0)

俺の昨日

目が覚めると机上に3本の空き瓶が立っていた。
すらりとしている。

テーブルの上のそれは、強度近視の裸眼視界には遠くの高層ビルのように見えた。物理的にだけでなく、経済的・精神的にこそ真に遠い都会を、幻視し、恐れる感覚。

昨日、隣の課の先輩が異動することが決まった。課内異動ではあるが、今とはまったくことなる場所に席を移す。

それで思わず、俺は飲んだ。

日本酒をだいぶ飲んだところでマティーニに替わり、古い友達に電話かけて、無闇に寂しい寂しいなどと訴えていたところまでは覚えている。

電話はとうに切れているし、マティーニはおろかウィスキーの瓶までがきれにほされ、テーブルの上からベッドの俺を見下ろしている。

気持ちが悪い。

この土日に公式に出勤するため、今日は代休だ。内線番号が2046なので「2046」を見に行こうと思い、切符を買ってあった。

こないだ風邪で休んだ20日、やたらとキムタクのインタビューがテレビでやっていて、そのどれを見ても、あるいは映画自体のCMを見ても、出演者(キムタク)の口からさえもまったくもって内容が伝えられずに、ただただスゴイと言われるその胡散臭さ、かつ、映画自体よりキムタクの「成長」ばかり取り上げられるという、そんな宣伝てないと思い、俺はムカムカしながらけっこう興味をそそられた。

だから行かなくちゃ。
重い。

俺は本当にどれだけ飲んだんだ。
そして彼女に何を言ったんだ。
お前とむねおと夜な夜なGで飲んでたあの頃は、あれは今から思うと奇跡に近いな、とそう言ったことは覚えている。だから何だったんだろう。たぶんそれだけ寂しかったんだんだろう。
だから何だという話だ。

穴倉。

だからもう思い出せない。かけ直して尋ねる勇気もないし、実際それほど知りたいとも思わない。要はただただ悲観的だったんだろう。そんな気がする。馬鹿。

とにかく行かなくちゃ。まずシャワー。それから何だ。薬か。
また余震があったらしい。
俺が酔ってる間に心底おびえ、心労のあまり死んでいった人がいる。さびしいさびしいって言ってたお前、何だ。

だから一人に頼るなって、何度言った。学べよ。

「2046」だよ。行けよ。

で、京都公楽。確かに見た。確かに見たんだが、何だあれは、俺は何を見た。何人出た?「特ダネ」の女子アナがやたらと熱っぽく何かを語っていたが、あの人、何を見たんだ。

お前誰だ。

俺だよ。

京都観世会館。能と狂言の夕べ。
三条から平安神宮近くまで行くのに、運ちゃんはメーターを止め何周、俺どこ。回る。どうでもいい回る。回れ。岡崎は闇。空間と闇。どこまでも俺。俺。ここ。どこ。

横笛とつつみ、甲高い音のつつみみたいな楽器、声。

よぉ、やぉ、お、ほぉ、ゆぉ、あ゛~、やぁ。
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# by fdvegi | 2004-10-28 00:30 | Comments(0)

とりとめのない

のどが痛い。
節々も痛い。
ついに症状が出てきたな、という感じです。

我が家には暖房がない。
エアコンはあるけど、嫌いなので使いたくないんです。

スウェーデンで味わったセントラルヒーティングが忘れがたく、京都で一人CHをしてやろうと思ってオイルヒーターを買うつもりでいたんだが、電気代が無闇にかさむと、ヤフー掲示板で教えてもらってしり込み。そうこうしているうちに麻布テーラーでスーツを極めこみ、万策尽きた。仕方がないのでベッドにミャンマーで買ってきた布を敷いて眠っている。

手織りだが寒い。

ところで、ミャンマーは今も生活のそこここに顔をのぞかせていて、ミャンマーサンダルは特にお気に入り。ブーツカットのパンツに、膝丈くらいのコート、そしてミャンマーサンダル。この取り合わせが今、マイ・モードを熱くしている。渋茶の色合い、レザーの鼻緒、一切の無駄をそいだそのデザインは、この先進国にあってなお一層のクールさを放っている。

とりあえず寒い。

昨日、前の日のサークルOB会の酔い覚ましを兼ねて貴船に散歩へ行って来たんだが、京の奥座敷には清川が流れ、まだ染めやらぬもみじが、細道を寄り添い歩く小旅行のカップルたちを祝福していました。

暖かいものを食べようと思って店に入ると、こじんまりした全席座敷で、いかにも兄弟らしい若い大きな男が二人、驚くほどの物腰の柔らかさで迎えてくれました。川に張り出したような作りからは、眼下に流れを、目の前にもみじを見ることができます。

黒田清輝の絵に出てきそうな白漆喰の壁、薄いガラス、木でできた窓のさんから眺める時、その紅葉は燃え盛る炎のように壮観なのか、それとも空気に染入る澄んだ絵の具のようなのか。

そんなことを考えているとき聞こえてくるのは意外と安易に流れるFMラジオで、それが妙に微笑ましく、集中でも放心でもない、とろけたような時間が過ぎていきました。背中に感じる壁の冷たさ、間断ない水の音、熱いあんかけ、とち餅の甘味。

この秋初の白い息。
鼻緒がこすれる部分はまだ痛い。
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# by fdvegi | 2004-10-18 00:30 | Comments(0)

ぼくの家は海

前々から言おうと思っていたんだけど、うちの玄関は暗い。

部屋に窓が多いだけに、閉じ込められたような一角のその暗さは、世界中の負の部分が年に一回集会でも開いている吹きだまりのような、あるいは、不幸の凝縮が閉じ込められている洞窟へと続く異次元空間の入り口のような雰囲気をかもし出している。

というのも、構造的に部屋の光が届かない上、無駄に凝った蛍光灯が据えつけてあるものだから、スイッチを入れてから反応するまでに30秒くらいかかるし、動くものがなくなるとセンサーが反応して勝手に電気が消えたりするのだ。
家に帰って玄関を開けた時などはまず明かり確保しようとスイッチを押すのだが、暗い中でようやく靴が脱げ、部屋に足を踏み入れた段になってようやく背後が明るくなるわけで、これはイライラする。

だからもうその電気はほとんど使わない。

となると我が家は、ふと振り返るとそこに冥府への入り口が口を開けている、というシャラマン好みの陰鬱空間か、帰宅するたびにどんより暗くてすこぶる気が滅入る、という大変いただけない男の一人住まいに成り下がってしまうのである。

これはいかん。

人類には明かりが必要だ。光のない陰は人を侵しにかかる。俺には光が必要だ。

そういうわけで考えた。

光、光、光、光、、、ろうそく?

だめ。あぶない。その上もたない。

んー。むき出しのろうそくは危ない。だけどアロマランプは?部屋を開けるといい香り。ユーカリ。ベルガモット。ローズマリー。レモングラス。

だめだって。もたないし、危ないことに変わりないもん。

んー。スタンドライト?

だめ。玄関を開けてすぐそこにスイッチがないと意味がない。場所もとる。コードが邪魔。第一でかいモノを増やしたくない。

ていうか。
アロマライトでいいじゃん。コンセントに突き刺したまま使うやつ。あれいくらくらいだっけ?つけっぱなしで危なくないのかな?じゅうぶんに明るいのか?役に立つのか?まいいや、買いに行こう。

欲しいし。

というわけで買ってきた。ていうか買うために考えた。考えるふりをした。

ベルガモットとユーカリのブレンドは海の香り。

もちろん潮の香りや磯の香りではないんだが、これは確かにまさしく海のにおいであって、さらに正しく言及すれば海の中の香りだ。

それも太陽にほだされた水面部分ではなくて、そこからほんの少しだけ深いところに不意に現れる、ひんやり冷えた、その瞬間、頭の中に「真っ暗闇」のイメージが喚起されるあの境界線の感覚。

目を開ければしっとりとした闇に飲み込まれそうになる、だけど見上げると、青く透明なゼリーが、無数に屈折を繰り返す柔らかな光を内包している、そんな場所と時間にいる感じ。

だから好き。水になれそうな気がして、けど、なれないことを重々承知している拮抗と共存が好き。ぼくの家は海。

以来、我が家の玄関はいい。帰宅するとそこには明かりがある。暗さの中に灯りがあるその状態はじゅうぶんに明るいとは言えないが、慎ましやかな常夜灯に迎えられる時、帰ってき甲斐があるなぁ、なんて思ったりもする。

ふと振り返ると、ゆるやかな明かりの中で空間が潤い漂っているような気がする。時々、ひと休みしにそこへ行ってみる。五感すべてに馴染んでくるような薄明かりの中で、ユーカリのツンと冴えた美しさと、ベルガモットの上品な華やぎが、そこなしにやさしく、秘密の海。
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# by fdvegi | 2004-09-17 00:30 | Comments(0)

手をのばしあえば届く

 好きだ
 
 だけど私ではない

 それは前から知っていた

 目を閉じている方が明るい夜だった

 そんな人もいる

 俺が腑抜けにされたんだろうか

 人から聞いた話だが

 あぁ。寂しいさ。

 ここで倒れます

 あけてきたあかりだ

 今のうちにキスしてしまえ

 ちゃんと祝うから

 二度ガツンとやられた (「罪と罰」)

 一人の好きな人たちへ

 疼いている 憩っている

 ここへ来て

 その手は青く見えた

 ここに忘れ物があったのに

 目を閉じると赤い鳥がいる

 やな事なんて何もない

 特技 土下座

 あの星だって寒い

 やさしい星は赤い絵の具になりました

 ハッピー・エンドじゃないけどね

 歌を歌って帰りなさい

 黙ってそうかと言って

 信じるものかと言わせてあげる

 捨てたよ。どちらにせよ君が悪い。

 一人前になったら捜し出します

 美しいからそこにいて

 事情があるんだよ

 花とはいってもあしらいの花

 愛は手の鳴る、方へ

 考えたら死ぬ

 紐のついた腕を切り落とす

 鼻歌泥棒

 これはつまりないまぜの薬 さしてかなしくなく子がいたり

 湯上り 今宵 音花火

 胸のあたりが熱を持つ

 言ってろ

 水に憩い 捕えられ 魚は空へ

 痛みだけが生き物のように溌剌としている

 誰かの嘘だ

 海が行き、砂と砂利、水がたゆたう

 つなぎ目が消えていく

 本物ではない

 木工用じゃだめなんだ

 俺たちは死んではいけない

 現実には在りえても現実的にはなりえない

 紅の色だの蜜の味だの

 重なりあい とろけあっていて 重い

 多分だろうと思っただけだ

 君でも柱

 これが煮詰まればせめて真珠となるのだろうか

 今さらだけど、嫌いじゃない

 鎖骨で泣いた

 彼は手の中の飛行機を花の星野へ着陸させた

 心の中に美しいものがあるか

 それでは さ よ う な ら

 彼にはすべてが快かった

 脚、腰、飛行機。

 どの窓からも湖と白樺が見える

 ずっと自分に夢中だった

 再会する我ら

 そこに光があったことなど誰も覚えてはいないようでした

 とりあえずは終わらせたいと願う

 俺ら素数

 「フィクショニア」

 あなたの旅行はまるで苦行のようでした

 昨日桜が咲いたって

 長い夜にたまった澱や芥など、元々何もなかったのです

 彼女は香りの湧水点だった

 土手に上がったところの、最大の風

 旅は一点を目指していたが、それが何かはわからなかった

 そういえば、といってあなたは笑う

 百年たっても宝石だろう

 故郷の話は、もういいよ

 やっぱり悲しかったんだ
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# by fdvegi | 2004-09-11 00:30 | Comments(0)