思い出深い

知っている人が亡くなっていた。
好きなミュージシャンのライブで知り合った人で、
白くてふっくらした感じが素敵な女性だった。
ぼくは生まれ初めて小箱のライブに行って何だか緊張していたところ、
隣に座っていたのが彼女だった。
とっつきやすい、親しみやすい人だった。
大学のサークルの先輩に感じが似ていて、思わず妹じゃないかと思うほどだった。

しばらく話していたところ、後からやってきた人と親しげに声をかけ合ったので、
友だちが来たのかな、と思ったら、その人こそがお目当てのミュージシャンだった。
衝撃的だった。

以降、彼女とコミュニケーションを取ったのは3度しかない。
一度は、京都の別のライブハウスに遅刻しそうになって、彼女にメールで尋ねたとき。
すぐに返事が来た。
彼女もそのライブハウスにいるもんだと頭っから信じていたら、
何のことはない、彼女は来ていなかった。

2度目は、大阪で奄美関係ミュージシャンの合同ライブがあった時。
そのミュージシャンの販売ブースでCDを売っていた。

そして3度目は、東京吉祥寺のライブハウスに行ったとき。
ステージ真ん前の最前列を陣取っていた。
よければこっちに来ますか?というような気を遣わせてしまうのが嫌で、
ぼくは合った視線をすぐにそらした。
あれから7ヶ月後に彼女は亡くなったのか。
思えばあの時も、熱を出したとか風邪をひいたとか言っていた。

とにかくいつも、そのミュージシャン関係だった。
昔、自分で企画してそのミュージシャンのライブを催したことがあったそうだ。
そしてそのミュージシャンが自分のHPで彼女の他界を伝えている。

印象的な色の白さが、今となっては腺病質というか意外な脆さのようなものを想起させはするがそれはきっと感傷に過ぎず、明るくて行動力があって溌剌とした力強い人だった。
自分にはないものばかり持っている気がして、とてもまぶしく、遠く思えた。

彼女には思い当たる節なんて少しもないだろうし、ぼくのこと自体覚えてもいないだろう。
だけどぼくにとっては不思議なほどに印象深く、何故だかとても感謝している。
東京以来一切の連絡を取らないまま、しかし、電話にはまだ彼女の名前が残っていた。

ご冥福をお祈りしたい。
http://yaplog.jp/photo_zansyou/archive/183
[PR]
by fdvegi | 2008-05-18 00:30 | 京都在住 | Comments(0)
<< 肉を食べる事件 残っているものがある >>