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ふと一句

思い立って、清春白樺美術館へ行ってきました。
ルオーの「聖顔」を見に。
東京へ来たから手軽に行けるや、と思っていたら、
結局、今になるまで行かないままだったというのは、
どうも、倦み疲れて初めて本格的にそこへ行きたくなるのが習い性のようです。
と言っても、今回でまだ3回目ですが。

長い坂があるから長坂町という命名の通り、
駅から延々3キロ、坂道を下りて上ったところにその美術館はあります。
のどかな山村風景の丘の上に、突然いかにも西洋風の
ドームのようなテントのような建物がどーんと建っているのが見えてきます。

けれど、その<どーん>が、自然に取り囲まれていると
とてもキュートにこじんまりと見えるのが不思議です。
<どーん>とさせてもらっている、そんな感じです。

ここでは天井がない。
そんな感慨に浸ることができます。
空の方が当然広い。断然広い。
そんなことをしみじみと思い出したりするのです。

美術館のすぐそばに長坂郷土資料館というのが建っていました。
これのせいで途端に窮屈でごちゃごちゃした感じになってしまい腹立たしいんですが、
でもとにかく長坂町の前身が清春村なんだというとがわかりました。
(ちなみに平成の大合併を経た現在は北杜市長坂町)
だから清春白樺美術館というわけです。
実はそこの関係がよくわかってなかったのです。
なんで清春なんだろう、と。

そして、小林秀雄という有名人が、清春村の春があまりにも美しいから
そこに清春芸術村を作れ、と言ったくらい、清春村の春は美しいようなのです。
今も桜がたくさん植わっていて、満開の頃はさぞあでやかなんだろうと思わせます。
いい名前ですね。清春。

ぼくはそういう空気に触れに行くようです。
近くのそば屋の座敷で焼き味噌をあてに日本酒を飲み、
窓に縁取られた冬枯れの山景色を眺めます。

  海を見ても山を見ても恋

最近、ビザ申請の書類を作る関係でスウェーデンの学校の住所まで書かされ、
その時、100年振りくらいにHolsbybrunn村のホームページを見たせいか、
森と木と雪の世界のことを肌身に思い出していたところです。
by fdvegi | 2007-02-25 00:30 | 君は関東が好きか | Comments(0)
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