鼻孔にくゆる

朝から煮なおしたおでん、という
身に余る幸福を享受しています。
目が覚めるととりあえずストーブに火をつけるわけです。
土鍋を最初から乗せておいて。
次第に、クツクツカタカタと音を立て始め、
よく冷えた空気の中を白くはっきりと湯気がゆらめき、
あたたまっただし汁が鼻先をくすぐり始めます。

不意に匂いが強くなり、何かが境を越えたのだとわかります。
このまましっとりと潤いにくるまれて眠ってしまいたい、
という本心のカケラを隠しつつ、
ぼくはしばらく同じしぐさを続けます。
匂いがもっと濃くはっきりとあたりを湿していくのを想像し、
やがて充分すぎるほどの励ましを受けたあと、
ぬるんだ中へおずおずと忍び込んでいくのです。
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by fdvegi | 2006-01-18 00:30 | 京都在住 | Comments(0)
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