王将の餃子がおいしいことを忘れてないか

妊婦だった友人が出産し、コタロウ少年を見に行きました。

自分の腕と胸の間ですやすや眠る小さい子というのは、
ソフトクリームみたいに嘗めて嘗めて嘗め尽してしまいたいような気持ちと、
ほくほくと温かい体を、丸ごと自分の体の中に収めてしまいたいような気持ちになる、
なんとも愛しい生き物ですね。

自分でも欲しくなったか、と聞かれ、
いくらでも想像がつきそうな問いかけにもかかわらず、
何となく虚を突かれてしまって、今はいいけどその他色々大変なんだろう、
というようなありきたりな、はっきりしないことを言うのが精一杯でした。

対して、すっかり母親というより、前から既に母親だった彼女は、
父親の仕事なんていうのは今あなたがしていることとそう大差ない、と言います。

昨今、男も子育てを、もっと協力を、とどこか高圧的なスローガンばかり聞くせいか、
色んな配慮と欺瞞が含まれているんだろうとは思いつつ、
いかにも宥和的なその口ぶりがあまりに新鮮で、
思わず免罪符でも得たかのような勘違いを起こしそうになり、
その後のことばを継ぐのに慎重になってしまいました。

それにしても、女の人は既に一年近くもがっつり母親で、
男の方は朝晩おっかなびっくりようよう一ヶ月というわけです。
どっちの方が一層、ということはないでしょうが、
どちらも色んな意味で、別の感覚で、きっとすごく大変なんでしょう。

おっさんの友だちポジションほど気楽なもんもありません。


さて、王将で餃子とビールを食って帰ったら、
テレビでハタチくらいの女の人が何人か大真面目に、
人を殺していいじゃない、人間は動物、動物は弱肉強食、嫌なもの無くすのは当然、と言い、
取り囲むタレントさんたちが、困惑と薄ら笑いとを浮かべていました。

この人たちには、ダメなものはダメなんだ、という藤原正彦の言い分も通用しないんだろうな、
などと思っていたら、ならあなたも殺されますよ、と反論を食らった彼女の、
一瞬の動揺というか意表を突かれた感じ、いいですよ、と取り澄まして答える時の、
殺して全然オッケー、と言った時に比べるとちっとも勢いがない感じを見て、
この人は、どこかわけのわからない場所で他人が殺し合っているところとか、
自分が誰かをうまいことやってきれいに殺してしまうところは何度も何度も想像してきたのに、
自分が誰かにぐちゃぐちゃのミンチ肉にされて殺されるシチュエーションについては、
今こつんと言われるまで本当に一切まったく考えたことがなくて、
全然頭になかったんじゃないのか、という疑問が浮かんで、驚きました。

眠たくて寝たけど、あの後一体どうなったんだろう。
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by fdvegi | 2006-01-16 00:30 | 京都在住 | Comments(0)
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