ひとむかし前は

ソファにひっくり返って空を見ていたら、空はきれいに澄んだ水色をしていた。
雲がその大半を隠しはするものの、どれもエッジがきいていて、水色を濁らせたりはしない。
その中をトンビが悠々と舞っていた。
そこに上昇気流があるんだな、そこは東に向かって風があるんだな、という空の様子がいちいち伝わってくるような、優雅でのんきな漂い方だった。
京都市内のトンビといえば、冬の鴨川上空をぐるぐるとせわしなく行き来する集団が目につくが、今回は一羽でふらふらしていた。
阻むもののないような空を好きなようにしている。

飛べるのに飛ばないよりはいい、というドラゴンアッシュの歌詞を胸の中でなぞりつつ、しばらくぼんやり見ていると、別の一羽が東の方からやってきて、似たような動きで西に向かう。
さらに別の一羽がやってきて、結局どれも同じような角度で西の方に消えていった。
ふらふらしているようで、ちゃんと道を行っているのかも知れない。

そのままだらだらテレビを見ていたら、ブカレストからソフィアへの旅路の放送が始まった。
10年前、おびえまくってたどり着いた寒々しいばかりのソフィア駅にファストフードのスタンドが並び、トラムも街並みもすっかりきれいになって、廃墟としか思えなかった町の真ん中の温泉汲み場はきれいな公園になっていた。

そりゃそうか。10年ひと昔って言葉がまず古いんだから。
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by fdvegi | 2010-04-18 00:30 | 京都在住 | Comments(0)
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