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この国の不安

「将来生まれる成果を明確にすべきだ」
「国民生活にどう役立つのかが分かりにくい」

などなどの理由でスーパーコンピューターの開発が止められてしまった。そんなにも確実で、分かりやすいことでないといかんのだろうか。誰でもみんながあっさり分かることでないと認めてもらえないのなら、先端的な科学技術開発なんて、そもそも概念自体が認められないじゃないか。
技術立国なんじゃないのか、この国は。

「雇用対策の色合いが強い」
「民間に資金を出してもらえないか」

という理由で若手研究者の育成・支援事業が減額された。どこの営利企業がまだ海のものとも山のものとも知れない若手研究者に金を出すんだ。
人材やマンパワーこそが今後の日本が目指す国力のあり方のはずで、人材育成という分野は民間企業の投資対象としては不明瞭でリスキー。
だから国が担うんじゃないの?

それがあっさり逆になって、民間に任せるって、大丈夫か。
そもそも雇用対策が必要なほどの大学院生を生んだのは国だろう。
そんな尻拭いをしたがる民間企業なんてあるか?
誰のどういう立場と感覚から、そういう発言が飛び出すんだ、この国の政策決定過程には。

リスクを民間に取らせて、国は安全確実で分かりやすいことのみしますって。
この国に生きる不安が、何だか突然、まざまざと感じられるのでした。
政策決定過程の、この可視化。
by fdvegi | 2009-11-15 00:30 | 京都在住 | Comments(0)
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