げに美しきはデスマスク

MSNの占いで見たんだが、12月3日の誕生花は花櫚(カリン)というらしい。
花言葉は「唯一の恋」で、寸評はこう。
「愛と美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)の聖花のひとつ。完璧な美しさのある人。ドラマチックな一生を送るでしょう」

はずかしいくらい現実味はないし、どうも意味がわからない。

が、ここ一ヶ月くらい毎日12時や1時に家に帰り、オレオとビールばかりで口の周りにブツブツができ、かつ体が緩んできたり、明らかに髪の毛が弱々しくなってきたり、4時や5時に嫌な夢で目が覚めたりしているにもかかわらず、けっこう何とかやっていけてるのは、一にも二にも恋をしているからっていうのはつまり、そういうことだという説明も、それはそれで一興だとは思うけど。

4月の頭に実家が引っ越すのに併せて自分の荷物の大整理をしていたら、そういうことの定石どおり古い写真がごっそり出てきて、そこに昔の彼女の写真が紛れていたりする。長年目にしなかったものだから、何かを捨てたとき気がつかないで一緒にまとめて捨ててしまったかな、と思っていただけに驚いた。

4年では強がりが過ぎると思うので、ゆうに5年は呪われ続けたその顔は今も確かに美しいのだけど、ちょうどカンフー映画なんかで出てくる引退した導師のように、心なしか精彩と威光を欠いているというか、なまめかしさのないどうも枯れてしまっている感じは、本来ならにわかには受入れ難いほど奇妙なことのはずだった。彼女の顔は世界をどこまで行けども到底まったく逃げ切れない空前絶後の魔力だったのだ。

こんな時に出てくるなんてずいぶんと因果だなぁ、と、相当しばらくぶりにできたばかりの美しい恋人と会っていた夜、一人ビールを飲みつつアルバムを「編集」しながら、深々とそう思った。

近所に住んでる友人というか正しくは先輩の家に押しかけ、奥さんと一緒に3人でその美しい顔を観賞した後、煮るなり焼くなりよろしくどうぞと言って、置いてきた。

この夜と、世界中のベッドやバーや夜行列車で、精神の縁に息も絶え絶えつかまっているような、そんな大仰な気がしていた夜との間に、一体どんな違いがあるんだろう。

というか、どんな共通点があるというんだろう。
[PR]
by fdvegi | 2005-03-22 00:30 | 京都在住 | Comments(0)
<< ライフ・スロート まねしてはいけないスウェーデン語講座 >>